妄想はたのしい!!

三日坊主が脳内を赤裸々に描くだけのブログ

離島に泊まった話②

船着き場近くに住む夫妻と合流し、本土へ向かう。島の住民同士がそれぞれどういう関係なのか見極めるのが大切、と友人が教えてくれた。人口が極めて少ない島であり、かつ血縁関係のある家がほとんどらしい。もちろんとても仲が良い間柄もあるようだが、犬猿の仲であることもあるので、いわゆる地雷を踏まないように、とのことらしい。幸い今回送迎した2組の夫妻は、家が離れていることもありそれほど悪くない関係のようだった。国際政治みたいだ。

 

本土側の港で乗り継ぐ車を待っていて思い出したのだが、おそらく小学生のころ観光で訪れたことがある場所だった。懐かしい。焼いた貝を家族で食べたっけ。

 

ワクチン接種に必要なクーポン、予診票、身分証明書などを確認し中へ入る。大きな体育館を貸し切って会場にしているようで、我々以外にも離島・沿岸地域から数百人の高齢者が来ていた。幸いなことに誰もアナフィラキシーなどにならず一安心だった。ちなみに筋肉注射なので割と痛いらしい。

 

そんなわけで本来の目的はおしまい。これっぽっちのお手伝いで交通費と泊まるところを用意していただけると、遊びにきてしまったようでちょっと申し訳なさが募る。

 

その日泊まったのは以前ゲストハウスとして使われていた平屋だった。物置にゴミが散乱していたり、ゴキブリが出たりはしたが、布団は清潔だったので問題はなし。私が潔癖症ではないか友人が心配してくれたが、いざゴキブリが出ると逃げまどっていて、結局私が出るはめになった。虫は得意ではないがヌメヌメふにゃふにゃ系でなければ何とかなる。

 

夕ご飯は島で一番若い50代の家族と一緒にバーベキューをした。島ということで貝類が豊富で、なかでもたまたま採れたというヒオウギ貝を焦がし醤油にしたバタバタがおいしかった。豚肉を噛んだ時に明らかに生の味がしたが、胃腸くんの強さと日本の公衆衛生を信じて飲み込んだ。特に被害はなかった。

 

水産高校を出て海の仕事につくのが当たり前の世界。いろいろと面白い話が聞けた。港湾関係は当直がある代わりに給料がそこそこいいらしい。成績などよりも真面目な性格が就職に有利だそうだ。まあどこの世界もそれは同じだろう。水産高校の実習で沖合に数か月行った話、気象庁の調査船に乗った話。船医というものに興味があったので聞いたところ、その船は船医がおらず、虫歯を船上で抜いていたとか。酔うと大変らしい1回くらい経験してみたいものだ。

 

 

夜の星空が綺麗だった。街灯が島にはほぼないのである。目がよくない私でも無数の星が見える。普段は辛うじて夏の大三角形が見えるかどうか程度なのに。高いところから島を見渡せば、どこの家がまだ起きているか分かる。ただ如何せん闇が濃いので、イノシシが出ないかびくびくしながら歩いていた。